昔はよかった・・・と言わない。それだけで10歳若くなれるのでは? 2016/11/29/Tue

最近、私好みの布を仕入れるのが難しくなってきました。

ファッションと同様に、手芸用の布にも流行のようなものはちゃんとありまして、メーカーさんは当然売れる物をたくさん作り、そうでもないものはどんどん削っていきます。でないと、自分も生き残れないからで、ビジネスの世界では当然のことです。

情報が簡単に手に入るようになってから、人々の好みは本当に多様化しました。
多様化したせいで、様々なものが少数派になってしまい、少数派はビジネスとしてはどうしても厳しい立場に立たされるので、どんどん生きづらくなっていきます。
それでも、ちゃんと存在はしているのです。「ないない」と文句を言いながら・・・。

みなさんもとうにお気づきとは思いますが、昔に比べて布を売っているお店は本当に少なくなりました。
街に必ず一軒はあった手芸店の多くは姿を消しました。それでも、大型量販店、スーパーマーケットの小さな手芸コーナー、100円ショップ、イベントのマーケットもありますし、何と言ってもネット通販があり、選択肢が広がったようにも感じます。でも、 便利なようで、結局自分の探しているものになかなか出逢えないという、何とも矛盾した思いを抱いているのは私だけではないはずです。

自分の好みに合うものが少なくなってきたということは、要するに自分の求める物が世間の主流から外れているということです。
それでもキライなものは嫌いだし、好きなものは好き。
ほかで売れている物なら別に私が売らなくてもいいか、と思うので、「今、これが一番売れています」と言われて出されるものを、私は一度も仕入れた事がありません。
時代が変わっても好きなものが一貫している、それはとてもとても大事なことだと私は思います。

昔の布を見ると、ついつい「昔は良かった・・・」と言いたくなります。
でも考えてみたら、現在は過去から繋がっているもので、時間は常に流れているんですよね。
私の中でも小さな変化が起こりながら今に至っているわけで、中心に芯は通っているけれど、それを突っ張っていても仕方がない、曲がりくねった道でも入って行けるように柔軟にならなければ折れてしまいます。
昔を懐かしんで今を否定するなんて、自分で自分を老化させているようなものかも知れません。
もう 昔に戻ることは出来ません。時間も物も私自身も流れているからです。
だから「昔は良かった・・・」とは言わないことにしましょ。それだけで10歳は若返るかも知れません。

また巡り巡って、流行のピントが合う時が来るかもしれません。とにかく自分の求める物を地道に探し続けることにします。そして今、手に入れられる布で、自分らしいものを作って行こうと思います。
過去は振り返らずにね。

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この写真は、以前のホームページの表紙の写真、懐かしいし、自分でも好きな写真です。
もうこの瞬間に戻ることは出来ないけれど、今は、今の私に撮れる写真を撮っていきましょ。

みなさん、Instagramはご覧いただけていますか?
これから私が撮った古い写真も雑多にアップされていきますが、単なる記録として、サラッとご覧になって下さいね。

「昔はヨカッタ」と言われないための、予防線・・・

 

 

 

 

2016-11-29 | Posted in お店の仕事 | タグ: Comments Closed 

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