服の断捨離(3)ー誰にだって捨てられないものはある! 2022/05/04/Wed

最初の記事の中で、「今私が持っているのはこれだけです」と書いていましたが、実は他の場所に、まだ2着ありました。

ひとつは喪服です。

次いつ着るかはわからないけれど、大人として持っていないと困るので、捨てるわけにもいきません。
ただし、今、私が持っているのは、ワンピース+ボレロで、30代か40代の頃に買ったもの。
少し若奥様感があって、今の私(現在57歳)にはどうなんだろ・・?って感じるので、買替えを検討しています。
まだ着られるし、流行りがある訳ではないけれど、年齢に合わせて更新していくのは、必要な事かな、と思います。
昨今は、パンツスーツも一般的になり始めたようなので、手頃な値段のものを見つけて、早々に入手したいと思っています。


そして、もう一つは、グレーのスーツです。

これは、洋裁が得意だった母が作ってくれたもので、もう随分古いもの。
スカートは、このフレアーのロングと

短めのタイトスカートが選べるようになっています。

多分20代の中頃に作ってらったもので、30代40代の頃は、子供の入学式卒業式、少しあらたまった席の時など、パールのネックレスをして、何度も着て行きました。

でも、ここ数年は出番はなく、今後も着る機会があるかは不明です。
もう着る予定がない服は、通常「断捨離」の対象になるわけですが、このスーツは、やはりどうしても捨てることが出来ません。


小さい頃から、母には数えきれないほどの服を作ってもらいました。
洋裁の腕はプロ並みで、オートクチュールの縫製の手伝いなどもしていた母。
スカートやワンピースはもちろん、厚手のオーバーコートやスーツなど、上級技術が必要なものも、ごく当たり前のように手作りしてもらっていました。

母の病気がわかった時、私はまだ20代で、仕事も、遊びも、恋愛も、まだまだ楽しい時期でした。
親を見送るなんて、まだまだずっと先のことで想像もしていなかったので、実感がないまま、悔いの多い別れとなってしまいました。
与えてもらった全てに対する感謝の気持ちや、自分が親になって初めてわかる感情などは、もちろん伝えることは出来ず、その後は、止めどなく湧いてくる後悔の念に長年に渡って苦しむ日々となりました。
そんな罪悪感もあり、母に作ってもらった洋服は、なかなか手放すことができず、結構な枚数をダンボール箱に溜めこんでいました。

それでも、時は流れ、私自身が、母の亡くなった歳になろうとしています。
だんだんと記憶も薄れ、やっと気持ちの整理もつき、様々な思いも、このグレーのスーツ1枚に集約することができて、作ってもらったたくさんの服たちは、その役目を終えました。
ここまで来るのに、何十年もかかってしまいました・・


たった1枚だけになったこのスーツ。
私の体に、ピッタリと合わせて作ってある手作りの洋服。
もう出番はなくても、私にとっては掛け替えのないもので、決して簡単に捨てることは出来ません。

どの針目を見ても、懐かしい・・
丁寧に丁寧に作ってあって、ボタンホールは、手縫いです。


きっと、誰にでも、捨てられないものがあると思います。
大切なものは、人それぞれに違うはず。

「断捨離」とか、「捨て活」とか、「ミニマリスト」とか、物を捨てて家の中をスッキリさせることが、さも良いことのように言われるけど、別に何でもかんでも捨てなくたっていいって、私は思います。
自分の価値観で、ちゃんと管理できれば、物は多ければ多いほど、人生は楽しい。
今さらだけど、そんなふうに感じます。

現在、私の断捨離は、そこそこ進みましたが、決して終わることはありません。
片付けは、気力も体力も消耗するので、元気でないと出来ませんし、記憶力は年々衰えているので、毎年その分を手放していかなければなりません。
生きている限り続くので、焦りや無理は禁物です。

でも、ここまでで、発見したことがひとつあります!
私にとっての断捨離は、決して「執着を捨てるため」のものではありませんでした。
物を減らすのは、大切なものを際立たせて、思いを分散させないために必要だったみたいです。
好きな物、大切な物を、もっともっと大事にするために、そうでないものを見極めて、手放していく。
そう考えると、残すものが見えて来るし、片付けも、多少は、楽しめそうな気もします。

「心と体は繋がっている」ってよく言いますが、「心と片付けも繋がっている」のだそうです。
確かに、大きく左右される気がしています。


みなさまの「断捨離」や「捨て活」は順調に進んでいますか?
もし、今その際中で、「なかなか・・」と苦労されていらっしゃる皆様方に、この記事がお役に立ちましたら嬉しいです。

2022-05-04 | Posted in つれづれなるままに | | Comments Closed 

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